ビットコインはこれまでよくも悪くも世間の注目を集める存在でした。
最近では、さまざまなところから「ビットコインが金の代替品になるかもしれない」という話が出てきています。
こうした話を耳にして、ビットコインをはじめとした暗号資産の取引に興味をもつ方も多いでしょう。
本記事では、金(ゴールド)に価値がある理由を踏まえたうえで、ビットコインが金の代替になり得るかを考察します。
同時に、これから暗号資産投資を始めようと考えている方に向けて、おすすめの暗号資産や取引所をいくつか紹介します。
なぜ金(ゴールド)には価値があるのか~通貨や株式等との違い
個人が投資を行う際にもっとも安定した投資先といわれるのは、「金(ゴールド)」です。
ここでは、金に価値がある理由や、通貨・株式等との違いについて、押さえておくべき3つのポイントを簡単に紹介します。
ビットコインの紹介だけ見たい人はこちらを、金投資を詳細に知りたい人は↓↓の記事を参考にして下さい。
1. 金は絶対量が決まっているため価値が大きく変動しない
地球上にある金の絶対量は決まっています。
これまでに世界中で採掘されて精錬された金の総量は20万トン弱で、これはオリンピックの水泳競技で用いられる幅50mのプール4杯弱ほどの量です。これが世界中の金の総量だと考えると、決して多くはないことがおわかりいただけるでしょう。
まだ採掘・精錬されていない金の総量は、地球全体で残り5約万トンです。
金は、絶対量が決まっていることで価値が担保された投資先であるともいえるでしょう。
絶対量が少ない実物資産である鉱物を、何十億という人々が取り合っているのです。
2. 実物資産である金は信用リスクが無い
金が希少価値の高い(絶対量が少ない)実物資産であることも、投資先として有力である理由のひとつです。
金以外の代表的な資産としては、債券・有価証券・各国の通貨などがあります。
しかし、これらはいずれも発行する国家や企業の信用によって成り立っているので、常に信用リスクにさらされています。
極端な話ではありますが、国や会社の財政が破たんすると、資産価値が0円になってしまうこともありえるわけです。
金は、どこかの国や企業が発行することにより、価値をもっているものではありません。信用リスクがゼロであるという点が、ほかの資産とは大きく異なるのです。
つまり金は、信用リスクを心配する必要のない現物資産(国や会社の経済状況に左右されない)であるといえます。
この唯一無二の特徴故に、金は有事の際の資産の逃避先として選ばれるのです。
3. 「有事の金」という考え方
「有事の金」とは戦争や紛争、テロなど治安が著しく悪化した際などに実物資産かつ安全資産である金(ゴールド)の価値が上がる傾向があることを指した言葉です。
債券・有価証券などの資産はたとえその発行元になんの問題もなくとも、経済的・政治的・軍事的などのさまざまな理由で、価値が大きく下落する可能性があります。
その点、金は代替の効かない資産として、価値を保存する手段として非常に優れています。
ビットコインとは何か
金の大きな特徴として、特定の国家や企業に依存していない無国籍の資産であるということが挙げられます。
そして、最近何かと話題にのぼるビットコインも、無国籍の資産です。
以下では、ビットコインとは何かについて解説し、ビットコインが金の代替になるかについても考察していきます。
1. ビットコインは暗号資産の一種
ビットコインとは暗号資産の一種で、世界で初めて生まれた仮想通貨です。
2009年、サトシ・ナカモトと名乗る正体不明の人物によってネット上に投稿された論文を基に作られ、運用が開始されました。
日本円(JPY)や米ドル(USD)などと同じく通貨として使用できますが、国や銀行のような管理者はいません。Peer to Peer型のコンピューターネットワークにより運営され、取引は仲介者を必要とせず、ユーザ間で直接に行うことができます。
後述するブロックチェーンと呼ばれる技術が使われており、ネット上のデータでありながら絶対に複製・改ざんできないという特徴から、通貨として使用することが可能となりました。
電子マネーやネット上のクーポンなどとは全く別のものになります。
現在はビットコインの技術を応用した別の暗号資産や、技術を応用しつつもさらに進化、または別の機能を持たせた様々な暗号資産が存在しており、その数は1000種類をを超えているといいます。
2. 暗号資産の安全性を保証するブロックチェーン技術
ブロックチェーンとは暗号資産の取引を記録するための技術で、「改ざんが非常に困難」「取引の記録を消すことができない」「システムダウンが起きない」といった特徴を持つ技術です。
このブロックチェーンこそサトシ・ナカモトの発明品で、暗号資産の根幹をなす技術と言えるでしょう。
ブロックチェーンは、「2つの当事者間の取引を効率的かつ検証可能で恒久的な方法で記録することができるオープンな分散型台帳」です。
例えば、AさんがBさんにビットコインを1BTC送金したとします。この時、Aさんが送ったビットコインをコピーしていたとしたら、そのコピーを持ち続けることは可能です。
しかし、この時「AさんがBさんに1BTC送った」という記録は、ブロックチェーン技術によりネット上に存在する全てのビットコインに書き込まれ、Aさんがコピーしたものだけが、その他の記録と矛盾することになります。
どちらの記録が正しいかは多数決により決まります。
すなわち、存在する全てのビットコインの過半数を入手しない限り、データの改ざんは不可能ということです。
この技術によって、暗号資産の安全性や透明性は保証されています。
(注意)上記の説明は内容を分かりやすくするために、一部事実と異なる点があります。イメージとして捉えて下さい。
3. ビットコインの価値の推移
ビットコインは、2009年に誕生した当初は1円以下(1BTC=1円以下)の価値しかありませんでした。
しかし、取引やニュースなどによって少しずつ注目され始めるようになり、2011年には1,000円台、2013年には1万円台、10万円台と一気にその価格が上昇していきます。
2024年3月現在、ビットコインの価格は1000万円(1BTC=1000万円)を超えています。
もし1BTC=1円だったころに1万円分のビットコインを購入していたら、今頃はそれは1000 億円以上の価値を持っていたことになります。夢がありますね。
ビットコインの単位はBTCのほかにsatoshiというものもあり、BTCの1億分の1を表します。
1satoshi=0.00000001BTC
ビットコインを購入したいが高すぎて手が出ない、と考える方もいますが、実際は数百円の資金から購入することが可能です(取引所の規定によって変わります)
ビットコインは金の代替品となり得るか
ビットコインは「無国籍である」「技術的な背景による資産としての安定性がある」といった特性から、いずれは資産運用の面で金の代替品、すなわち価値を保存するための資産の逃避先となると考えられます。
それはすなわち、資産としてのビットコインは以下の特徴を持つようになるということです。
・実物資産同様に価値が無くなることのない安全資産
・特定の国や会社の状態に左右されない、安定した資産
・有事の際の資産の逃避先
もちろん、これまで唯一無二の安定資産として君臨し続けた金と近年生まれたばかりのビットコインが、いきなり肩を並べられるわけではありません。
ビットコインが金に成り代わるためには、以下の課題があります。
ビットコインの価格は大幅に上昇したが、時価総額はまだまだ金よりも相当に小さい。ビットコインが金同様の安定資産となるためには、まだしばらく価格が上がり続ける必要がある。
また、ビットコインのボラティリティ(価値変動の激しさ)は依然として大きい。金と同程度のボラティリティを有するようになるためには、さらに多くの人に普及させる必要がある。
ビットコインが金の代替品となるというシナリオが実現するのは、もう少し先のことでしょう。
ビットコインが金の代替品になると信じ、投資対象として選ぶのであれば、価格が安い今が一番よい買い時といえるかもしれません。
おすすめの暗号資産の選び方と買い方
ここまでは暗号資産の代表的な存在として、ビットコイン(BTC)を中心に説明してきました。
ただ、実際の通貨には円(JPY)やドル(USD)・ユーロ(EUR)といろいろな種類があるように、暗号資産にもビットコイン(BTC)をはじめとしたさまざまな種類があります。
現在のところ、金の代替となれるほどの可能性を秘めているのはビットコインだけかもしれませんが、投資対象としておすすめな暗号資産は他にもあります。
そこで以下では、ビットコインも含めたおすすめの仮想通貨の選び方や買い方について、説明します。
おすすめの暗号資産
暗号資産はビットコインだけではありません。
マイナーなものまで全て含めると、すでに千を超える暗号資産が存在しますが、ここでは代表的かつ特に将来有望なもののみ紹介します。
● ビットコイン(BTC)
● イーサリアム(ETH)
● リップル(XRP)
この3つの通貨は、本ブログの管理人が実際に保有している通貨でもあります。
ビットコイン(BTC)
ビットコインは世界で初めて誕生した暗号資産です。
現在においても、その時価総額はその他全ての仮想通貨の合計と同じくらいであり、暗号資産における基軸通貨となっています。
千を超える暗号資産の中でもビットコインの存在感は圧倒的であり、全ての暗号資産はビットコインとアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)とで区別されるほどです。
また、円(JPY)やドル(USD)などの通貨はその国の政府が供給量をコントロールしますが、ビットコインの総量は2100万BTCと決まっています。
金と同様に希少価値が高いことから「デジタルゴールド」とも呼ばれ、投資家の資産の逃避先となることが増えてきました。
金融機関のような第三者を介することなく、個人間で取引可能な「非中央集権」の分散型の特性と高いセキュリティから、今後もさらなる価値上昇が見込める仮想通貨です。
イーサリアム(ETH)
イーサリアムはアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)の中で、長年最大の時価総額を維持し続けている優良通貨です。
イーサリアムは通貨でありながら、DApps(分散型アプリケーション)を開発するプラットフォームでもあります。
パソコンのOSのような存在であり、様々なアプリがイーサリアム上で開発され、稼働するという点がビットコインとの最大の違いです。
また、イーサリアムの大きな特徴として、様々な契約を自動化する「スマートコントラクト」という仕組みがありあす。
スマートコントラクトとは、「予め定めた条件が満たされた時に、自動的に処理を実行する」というもので、ネット上の契約を改ざん不可能なブロックチェーン上で実行することができる技術です。
ある意味では、お金を入れてボタンを押せば飲み物が出てくる自動販売機もスマートコントラクトの一種であると言えるでしょう。
これまで仮想通貨への投資を行ったことがないという初心者の方は、ビットコインとイーサリアムから投資を始めるのがおすすめです。
ビットコイン、イーサリアムは↓↓の取引所で購入できます。
その他の仮想通貨
ビットコインとイーサリアム以外に有力な仮想通貨の候補としては、以下のようなものが挙げられます。
・リップル(XRP)
・ネム(XEM)
・ライトコイン(LTC)
・ファクトム(FCT)
リップル(XRP)
リップルは2024年3月現在で世界第6位という高い時価総額を誇っており、今現在まだ発行している最中であるビットコインやイーサリアムとは異なり、リップルは総発行可能枚数の1,000億枚をすでに発行済みです。
取引にかかる時間が他の仮想通貨と比べて段違いに早いため、複数の銀行を経由するため取引に時間がかかることの多い、国際送金に用いる手段に適していると考えられています。
NEM(XEM)
ネム(XEM)もリップル同様に取引にかかる時間が早く、今後通貨の供給が増えることもありません。
ネム専用のウォレットにネムを一定以上保有しておくことでスコアが加算されていき、スコアが一定以上の値を超えたところで報酬を得る資格を持てるようになる「ハーベスティング」という仕組みを採用しているのが、大きな特徴です。
ライトコイン(LTC)
ライトコインは2021年2月現在で世界第8位の時価総額を持つ仮想通貨であり、ビットコインが金であるならライトコインは銀であると言われています。
発行上限がビットコインの4倍である8,400万枚に設定されており、ビットコインのインフレに対応するように設計されています。
ファクトム(FCT)
ファクトムは強固なセキュリティが大きな特徴の仮想通貨で、多くの企業や団体と提携してシナジーを生み出しています。
また、ビットコインやイーサリアムと記録をシェアできるのも重要なポイントのひとつで、ファクトムをビットコインやイーサリアムと交換した場合も、ファクトム全体で取引情報をまとめることが可能です。
おすすめの仮想通貨(暗号資産)取引所
ビットコインをはじめとする仮想通貨は、世界中に存在する仮想通貨の取引所で購入することができます。
初めて仮想通貨を購入する方は、日本国内にある仮想通貨の取引所を利用するのが安心です。
以下では国内のおすすめの仮想通貨取引所として、「コインチェック」「ビットフライヤー」「DMMビットコイン」の3つを紹介します。
初心者におすすめの “コインチェック”
コインチェックは、ネット証券の大手「マネックスグループ」の子会社であるコインチェック株式会社が運営する取引所で、29種類もの仮想通貨を取り扱っています。
ネムやIOSTといった、ほかの取引所では取り扱っていない仮想通貨を購入することも可能です。
画面やアプリの操作方法が非常にわかりやすいのも大きなメリットのひとつです。仮想通貨取引に慣れない投資家の方にとって、選ぶ動機のひとつになるでしょう。
また、コインチェックの大きな魅力の一つは、仮想通貨の積立投資ができることです。(積立投資とは何かはこちら)
現時点ではまだ価格が乱高下しやすいことが、仮想通貨への投資を考える際のネックのひとつです。ドルコスト平均法を活用した積立機能が、抜群の効力を発揮することでしょう。
ただし、コインチェックでは、FXなどでおなじみのレバレッジ取引を行うことができません。仮想通貨においてレバレッジ取引を行いたい場合は、ほかの取引所を選ぶ必要があります。
日本最大級の取引所 “ビットフライヤー”
ビットフライヤーは株式会社bitFlyerが運営する仮想通貨取引所で、コインチェックと同様に数多くの仮想通貨(33種類)を取り扱っています。
ビットフライヤーでは最大4倍のレバレッジ取引を行うことが可能なので、レバレッジ取引を行いたい方にとってはコインチェックよりもおすすめといえるでしょう。
ビットフライヤー経由でネットショッピングやふるさと納税などを行うこともできます。
取引を行うたびに取引金額の一定割合のビットコインを付与されるサービスを利用すれば、知らず知らずのうちにビットコインが貯まっていきます。
また、Tポイント100ポイントを85円相当のビットコインと交換することもできるので、Tポイントの使い道に悩んでいる方は交換を検討するとよいでしょう。
ビットフライヤーの公式ホームページは↓↓
bitFlyer(ビットフライヤー)- 暗号資産(仮想通貨)の購入/販売所/取引所
レバレッジ取引をするならここ “DMM Bitcoin”
DMMビットコインは株式会社DMM.comのグループ会社であるDMM Bitcoinが運営する仮想通貨取引所です。
取り扱い通貨は、現物取引できるのはビットコイン・イーサリアム・リップルの3種類のみですが、レバレッジ取引所では34種類もの仮想通貨を取り扱っています。
現物取引よりもレバレッジ取引のほうが盛んに行われている印象なので、FXの経験があるなどで仮想通貨もレバレッジ取引で取引を行いたい方にとっては、おすすめの取引所といえるでしょう。
使いやすくわかりやすいUIが特徴的で、株式などで投資経験のある方であれば初めてDMMビットコインを利用する場合でも、感覚的に使い方が理解できるかもしれません。
また、利用するなかで追証を入れなければならなくなる可能性がないというのも、利用者にとっては大きなメリットといえます。
ただし、証拠金維持率のラインが高いということは念頭に置いておく必要があります。
レバレッジ取引をお考えの方は、是非DMM Bitcoinを利用しましょう。
DMMビットコインの公式ホームページは↓↓
暗号資産(仮想通貨)(ビットコイン)取引 – 【DMMビットコイン】暗号資産(仮想通貨)を始めるならDMM Bitcoin
まとめ
ビットコインがデジタルゴールドと呼ばれる日は、そう遠くない未来にきっと訪れることでしょう。
ビットコインはその特性から、金の代わりになり得る可能性が十分あります。
ただし、時価総額やボラティリティといった観点から、今すぐにそういったことが起こるとは考えにくいです。
もちろん、金の代替品になるかならないかに関わらず、ビットコインが優秀な投資商品であることには間違いありません。
また、仮想通貨はビットコイン以外にも、イーサリアムやリップルなどのさまざまな種類があり、それぞれ異なった特徴を有しています。
日本国内にも、暗号資産の取引が行える取引所はたくさんあります。
取り扱っている暗号資産の種類や、レバレッジ取引の可否などをもとにして取引所を比較検討することが大切です。