「有事の金」とは戦争や紛争、テロなど治安が著しく悪化した際などに実物資産かつ安全資産である金(ゴールド)が買われる傾向があることを指した言葉です。
特に戦争などの際には、通貨や株などのリスクの高いものへの投資より、安全な実物資産が多く買われる傾向にありますが、これは現代でも有効なのでしょうか?
有事の金買い
「有事の金買い」という言葉の起源を遡ると、米ソ冷戦時代に核戦争に対する警戒感から、最後の砦として頼れる安全資産は「金」であろうという考えが根付き、金投資の動きが活発化したことが始まりです。
しかし、現代の戦争・紛争状況においても「有事の金買い」が通用するかどうかは疑問です。実際に、イラク戦争やアメリカ同時多発テロの際には、金が一時的に買われましたが、その後すぐに投資家たちが金を売却し、有事に際して金価格が上昇するというパターンは見られませんでした。
2023年現在、ロシアによるウクライナ侵攻を背景に金価格は大きく上昇していますが、この上昇も2020年以前に始まった米中貿易戦争やその後のコロナショックから続いているため、関連性があるかは不明です。
対照的に、金価格が大きく変動したのは2008年のリーマンショックが引き起こした世界同時株安という経済危機の際でした。アメリカドルが下落し、金価格も一時的に低下しましたが、その後金価格は高騰しました。
これを総括すると、戦争や紛争による有事では金価格の動きは限定的であるものの、世界的な金融危機においては「有事の金」が現代でも有効であると言えるでしょう。
想定外の事態が発生し、社会インフラが機能しなくなり、現金や金以外に交換可能な財産がなくなるような状況になれば、金は間違いなく安全な防衛資産としての価値を発揮するでしょう。
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