「有事の金」とは戦争や紛争、テロなど治安が著しく悪化した際などに実物資産かつ安全資産である金(ゴールド)が買われる傾向があることを指した言葉です。
特に戦争などの際には、通貨や株などのリスクの高いものへの投資より、安全な実物資産が多く買われる傾向にありますが、これは現代でも有効なのでしょうか?
有事の金買い
「有事の金買い」の歴史を辿ると、米ソ冷戦時代に核戦争への警戒感から、最後に残る安全資産は「金」であろうという考えにより金投資の動きが活発化しました。
しかし、戦争における「有事の金買い」が現在も通用するかというと、最近の戦争・紛争時の金価格の変動を見る限りでは、大きな関連性は見られなくなっています。
実際に「イラク戦争」や「米国同時多発テロ」の際に一時的に金は買われましたが、その後すぐに金を手放す投資家が多く出て、「有事に金価格が高騰する」という式は当てはまりにくくなっています。
そんな中、金の価格が大きく変動したのは2008年の「リーマンショック」による世界同時株安という経済危機の際です。米ドルの下落と同時に価格は一時的に下落しますが、その後金の価格は高騰します。
総括すると、戦争などの有事では金価格は動きにくくなったが、世界規模の金融危機の際には「有事の金」は今も有効といえるでしょう。
仮に社会インフラが立ち行かなくなり、生活物資と交換できるのが現金や金しかなくなるような状況に陥った場合は、安全な防衛資産であることは間違いありません。
お勧めの金投資は
金投資には、金地金、純金積立、金ETF、金投資信託、金先物取引など、いくつもの選択肢があります。
金投資の素人であれば、手軽に購入できる「金貨」か相場を見る必要のない「純金積立」をお勧めします。
~個人におすすめの手法は~「守りの資産」と言われる金(ゴールド)は、上手に購入・保有することで、リーマンショックのような経済的混乱や個人的な投資の失敗時等に「あな...
手軽に購入できる 「地金型金貨」
最も手軽に金を保有するには「金貨」の購入がお勧めです。
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ただ単に「お金を業者に預け、画面上のデータで “価値” を確認する」というその他の投資とは違い、「金(ゴールド)という現物を手元に置いておける」「好みの金貨をコレクションする」という、目に見える良さがある点が金貨の大きな魅力です。
コツコツと安全に金を積み立てる 「純金積立」
純金積立とは、毎月一定の金額を積み立てて少しずつ金(ゴールド)を購入していく手法のことをいいます。
毎月いくらとご自身が定めた金額で、毎月「純金を積立預金していく」というイメージですが、基本的に金現物が手元に来ることはありません。会社が適切に保管(購入履歴のデータ保存)をしておいてくれるため、保管する手間が不要というメリットがあります。
会社にもよりますが、多くの場合指定した金額になるよう毎日買付を行います。例えば毎月3000円分積み立てるよう指定した場合は、1ヵ月が30日であれば毎日100円分の金をその日の値段で購入していきます。
ドルコスト平均法の効果を最大限発揮できるため、「守りの資産」として金を保有するのであれば、まさしく純金積立が最適でしょう。
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金(ゴールド)を購入してもあなたの資産は減らない
金(ゴールド)を購入すると、当然あなたの資金は減ります。しかし資産が減る訳ではありません。
金を購入するということは、あなたが保有している資産の一部を「日本円」⇒「金(ゴールド)」に移動するということ、すなわち「投資」です。
その後、金価格の変動により資産の増減は起こりますが、購入そのものによるマイナスは無いのです(手数料・送料等は除く)。
そしてもし日本円が必要になったら簡単に売却できます。金貨は基本的に中古だから安くなるということはありません。その時の金価格で売却できます。
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