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【古代日本のお金】皇朝十二銭とは何か

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日本で最も古いお金は何か。

ワドウカイチン? フホンセン?
いいえ、それ以前にも無文銀銭(ムモンギンセン)がありましたし、それよりもっと昔から布や米などがお金として使われていました。

日本最古のお金を言い当てるのは極めて困難です。

しかし現代に生きる我々がイメージしやすい小さな金属の塊で、かつ広く人々に浸透し取引に利用されていたものに限れば、日本最古のお金は明らかになっています。

それは奈良時代から平安時代にかけて発行された、和同開珎(ワドウカイチン)から始まる12種類の通貨連。

通称、皇朝十二銭(コウチョウジュウニセン)です。

日本のメジャーな古銭一覧日本のお金について語るとき、江戸時代以前、江戸時代、近代、現代の4つに区別することができます。 この記事では、かつて日本で発行され...

皇朝十二銭以前のお金

七世紀ごろ、一部の貴族たちの間で布や米とともに無文銀銭と呼ばれる小さな銀貨が使われていました。

一般に普及していたとは言い難く、あくまでも貴族が大きな買い物をする時などにのみ使われたようです。

七世紀の終わりごろ、機内を中心に新たな国づくりを進めていた天武天皇は多くの労働力を雇うための大量のお金を必要としていました。

そこで作られたのが富本銭(フホンセン)を含めたいくつかの銅貨。

朝廷はこの富本銭を給料として人々に配り、新らしい国、藤原京の建設を進めますが、残念ながらこの施策は失敗に終わります。

当時の人々はこの富本銭をお金として受け入れることはなく、これが広く普及することはありませんでした。

無文銀銭富本銭(フホンセン)
発行開始:ー
サイズ:ー
発行開始:683年頃
サイズ:直径24.4mm

※画像はWikipediaから引用

皇朝十二銭

西暦708年、現在の埼玉県秩父にて新たな銅山が発見されました。

これを祝い、元号は和銅(ワドウ-日本の銅)と改元され、さらのこの銅を用いた新たな通貨が発行されます。

それが和同開珎(ワドウカイチン)。日本で初めて本格的に流通した通貨となります。

朝廷はこの和同開珎を人々に流通させ、710年には新たな都、平城京への遷都を成功させました。

その後、約250年の間に和同開珎を含めて全12種類の通貨が発行され、これを皇朝十二銭と言います。

なぜ12種類もの通貨が発行されたか

和同開珎は人々に使われるようになりました。しかし和同開珎1枚の価値は朝廷の想定通りにはならず、時間がたつにつれてどんどん下がっていきました。
(1枚で買える物の量がどんどん少なくなっていった)

722年には当初の50分の1にまで価値が下がります。遷都を終えたばかりで、新しい道や建物をどんどん作りたい時代。朝廷は対策を迫られます。

そうして760年。万年通宝(マンネンツウホウ)という新たな通貨を発行します。

和同開珎より少しだけ大きい万年通宝は、なんと和同開珎の10倍の価値があると設定されました。朝廷は給料として和同開珎10枚払うべきところを万年通宝1枚ですませたのです。

その後の約200年間、同じことが後10回繰り返されました。

価値が下がるたびに10倍の価値の新たな通貨が発行され、最後の乾元大宝(ケンゲンタイホウ-958年発行)までに、12種類の日本独自通貨が発行されたのです。

皇朝十二銭 一覧

皇朝十二銭の一覧を以下にしまします。

和同開珎(ワドウカイチン)万年通宝(マンネンツウホウ)
発行開始:708年
サイズ:直径24mm
発行開始:760年
サイズ:直径24~25mm
神宮開宝(ジングウカイホウ)隆平永宝(リュウヘイエイホウ)
発行開始:765年
サイズ:直径24~25mm
発行開始:796年
サイズ:直径24~25mm
富寿神宝(フジュシンポウ)承和昌宝(ジョウワショウホウ)
発行開始:818年
サイズ:直径23mm
発行開始:835年
サイズ:直径21mm
長年大宝(チョウネンタイホウ)饒益神宝(ニョウヤクシンポウ)
発行開始:848年
サイズ:直径20mm
発行開始:859年
サイズ:直径19~20mm
貞観永宝(ジョウガンエイホウ)寛平大宝(カンピョウタイホウ)
発行開始:870年
サイズ:直径19mm
発行開始:890年
サイズ:直径19mm
延喜通宝(エンギツウホウ)乾元大宝(ケンゲンタイホウ)
発行開始:907年
サイズ:直径19mm
発行開始:958年
サイズ:直径19mm

※画像はWikipediaから引用

皇朝十二銭の買い方

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皇朝十二銭よりも後の通貨(江戸時代の小判や銭貨、明治時代の金貨銀貨など)については↓↓の記事をご参照ください。

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