日本経済の先行きが不安視される中、安全な投資先として実物資産を保有される方が増えています。
実物資産というと金(ゴールド)やプラチナなどの貴金属やアンティークコイン、もしくは不動産などが一般的ですが、そこには「宝石」も含まれます。
しかし投資として宝石を保有されている方は比較的少ないと思われます。
この記事では「一個人が」「投資として」宝石を保有することの是非について紹介します。
ジュエリー投資の是非
宝石はその美しい輝きと、高い希少価値や時代を超えた普遍性などもあり、価値の下がりにくい実物資産として非常に優秀です。
今後、中国やインドなどの発展途上国が成長していくにつれて、その価値はますます上昇していくでしょう。
ただし、それは一定以上の品質の、本当に高価な宝石に限った話です。目安としては数百万円以上となるでしょう。
一般的なジュエリーショップなどで購入できる数十万円程度の宝石については、残念ながら必ずしもそうであるとは言えません。
安価な宝石は、購入後は「中古品」であるとして価値を維持できないものが多くあります。
あくまでも「資産を守るための投資」として安全資産を購入するのならば、宝石よりも金貨等の貴金属がより適していると言えるでしょう。
無論、宝石の価値は純粋な金額だけに留まるものではありません。
見た目の美しさや愛着、所有感、自己顕示の手段や思い出なども含まれるため、一概に「ジュエリー投資」自体を否定はできません。
それらを加味した上で、多少価格が下がることも許容して投資するのであれば大いに有効であると言えます。
世界4大宝石
ダイヤモンド・エメラルド・ルビー・サファイヤの4種類の宝石を「世界4大宝石」と言います。
この4種類の宝石への投資について、それぞれ解説ていきます。
- ダイヤモンド: 高い硬度と煌めく輝きで有名なダイヤモンドは、ジュエリー投資において人気のある選択肢です。その価値はカラット数、カット、カラー、クラリティの4Cで決まります。
- エメラルド: 緑色の鮮やかな輝きが特徴のエメラルドは、その美しさから高い価値を持ちます。しかし、内部に含まれるインクルージョンによって価値が下がることがあるため、購入前に注意が必要です。
- ルビー: 赤色の美しい輝きを持つルビーは、その希少性から高い価値があります。鑑別書が付いていることを確認し、品質の高いものを選ぶことが大切です。
- サファイア: 青色の美しい輝きを持つサファイアは、その硬度と希少性から投資対象としての価値があります。しかし、価値が上昇するのは一部の高品質なサファイアに限られるため、選ぶ際は注意が必要です。
総じて、宝石への投資は、価格だけでなくその他の要素も考慮して判断することが重要です。その上で、自分に合った投資方法を見つけることが大切です。
ダイヤモンド
日本では「ダイヤモンド=宝石の王様」のようなイメージがありますが、これはダイヤモンド市場を事実上支配しているデビアス社の企業戦略によるところが大きく、世界的にはそれほどではありません。(4大宝石の一角ではあります)
「結婚指輪は給料の3ヵ月分」というキャッチコピーもこのデビアス社が考え出したものです。
それほど日本で人気の高いダイヤモンドですが、残念ながら他の3つの宝石と比べると投資に不向きであると言えます。
デビアス社の市場占有率が高いためダイヤモンド価格の操作も可能であり、運用対象としてダイヤモンドを見る場合、これは重要な意味を持ちます。
ダイヤモンドの価格はデビアス社の意向や業績に左右されるため、その他の宝石と比べるとリスクが高く、安全資産としてはやや不安が残ります。
エメラルド
エメラルドは和名を翠玉・緑玉と言う、鮮やかなグリーンの宝石です。
天然ものは内部に特有の傷が多くあり、当然ながらサイズが大きく、傷が少ないほうが価値が高く、明るく濃い緑色のものが最上級とされます。
エメラルドは良質の天然石が少なく、傷物であっても宝石として流通しています。
その場合傷を隠すための処理が施されており、天然石と比べると価値が低くなります。
特に無処理、ノンオイルとの記述がない限り、何らかの処理が施されていると判断して差し支えないでしょう。
ルビー
ルビーはダイヤモンドやエメラルド、サファイアと比較してもさらに希少性の高い宝石です。
新たな鉱山が見つかる可能性も低く、投資の対象として非常に優れています。
ただしルビーには過熱処理を加えられたものと非加熱のものがあり、実物資産として価値が高いのは非加熱もものです。
加熱処理されたものは見た目は美しいですが、買値よりも高く売れることはまず無いでしょう。
また当然天然物の方が価値が高いですが、天然ルビー=非加熱ルビーではないため注意が必要です。
サファイヤ
サファイヤは混入物が違うだけでルビーと同じ石(コランダム)なのですが、ルビーよりも安価である場合が多く、比較的購入しやすい宝石です。
ルビー同様加熱処理されたものと非加熱の物があり、投資に向いているのは非加熱の物です。
実物資産ならばやはり「金投資」が王道
大きな資金があれば手堅く運用できる「宝石投資」ですが、一般人であればやはり少額から投資できる「金投資」がおすすめです。
しかし一言に金投資と言っても、金地金、純金積立、金ETF、金投資信託、金先物取引など、いくつもの選択肢があります。
金投資の素人であれば、手軽に購入できる「金貨」か相場を見る必要のない「純金積立」をお勧めします。
手軽に購入できる 「地金型金貨」
最も手軽に金を保有するには「金貨」の購入がお勧めです。
ただ単に「お金を業者に預け、画面上のデータで “価値” を確認する」というその他の投資とは違い、「金(ゴールド)という現物を手元に置いておける」「好みの金貨をコレクションする」という、目に見える良さがある点が金貨の大きな魅力です。
コツコツと安全に金を積み立てる 「純金積立」
純金積立とは、毎月一定の金額を積み立てて少しずつ金(ゴールド)を購入していく手法のことをいいます。
毎月いくらとご自身が定めた金額で、「純金を積立預金していく」というイメージですが、基本的に金現物が手元に来ることはありません。
会社が適切に保管(購入履歴のデータ保存)をしておいてくれるため、保管する手間が不要というメリットがあります。
会社にもよりますが、多くの場合指定した金額になるよう毎日買付を行います。例えば毎月3000円分積み立てるよう指定した場合は、1ヵ月が30日であれば毎日100円分の金をその日の値段で購入していきます。
ドルコスト平均法の効果を最大限発揮できるため、「守りの資産」として金を保有するのであれば、まさしく純金積立が最適でしょう。
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