金(ゴールド)、銀(シルバー)、プラチナ等の貴金属を個人で所有するには、金貨などのコインの他に「積立投資」という選択肢もあります。
この記事では、金・銀・プラチナ、各貴金属の積立投資のメリットとデメリット、お勧めの証券会社の選び方等を紹介します。
貴金属積立とは ~純金積立・純銀積立・プラチナ積立~
貴金属積立とは、毎月一定の金額を積み立てて少しずつ金・銀・プラチナ等の貴金属を購入していく手法のことをいいます。
毎月いくらとご自身が定めた金額で、「貴金属を積立預金していく」というイメージですが、基本的に現物が手元に来ることはありません。会社が適切に保管をしておいてくれるため、保管する手間が不要というメリットがあります。
会社にもよりますが、多くの場合指定した金額になるよう毎日買付を行います。
例えば毎月3000円分積み立てるよう指定した場合は、1ヵ月が30日であれば毎日100円分の貴金属をその日の値段で購入していきます。(ドルコスト平均法)
積立投資は投資の素人であっても、「安全資産」である金・銀・プラチナを安く購入し、確実に資産を築くために有力な手段であると言えます。
その他、貴金属積み立てのより詳細な説明やメリット・デメリットなどは以下の記事を参照して下さい↓↓
貴金属積立 会社の選び方
純金積立を始めとする貴金属の積立投資を行う際、会社選びにはいくつかのポイントがありますので紹介します。
1.積立対象(金・銀・プラチナ)
2.保管方法(特定保管・消費寄託)
3.コスト(手数料・年会費・スプレッド)
積立対象・保管方法 比較
積み立てる対象が金(ゴールド)だけであれば問題ありませんが、銀(シルバー)やプラチナも同時に積み立てようとする場合、取り扱っていない会社もありますので注意が必要です。
また、積み立てた貴金属の保管方法(特定保管か消費寄託か)も確認しておきましょう。(特定保管と消費寄託の違いはこちら)
積立可能な貴金属 | 保管方法 | |||
金 | 銀 | プラチナ | ||
マネックス証券 | 〇 | 〇 | 〇 | 消費寄託 |
楽天証券 | 〇 | 〇 | 〇 | 消費寄託 |
SBI証券 | 〇 | 〇 | 〇 | 特定保管 |
KOYO証券 | 〇 | ー | ー | 消費寄託 |
田中貴金属 | 〇 | 〇 | 〇 | 特定保管 |
三菱マテリアル | 〇 | 〇 | 〇 | 消費寄託 |
岡藤商事 | 〇 | ー | 〇 | 消費寄託 |
KOYO証券は金のみ、岡藤商事は金とプラチナのみとなっているため、銀やプラチナに投資する場合は選択できません。
金と銀とプラチナ 三種類の貴金属の違いは以下の記事を参照してください↓↓
貴金属積立コスト比較(手数料・年会費・スプレッド)
積立時に発生するコストは手数料だけではありません。手数料、年会費、スプレッドの3つのコストを比較して選びましょう。
年会費:取引量に関わらず、1年に一度定額で支払う費用
手数料:取引金額に応じて発生する費用
スプレッド:買値と売値の差(事実上、上記とは別の手数料となる)
(スプレッドの例)金価格5000円/g、スプレッド100円の場合は、購入金額は5050円/g、売却金額は4950円/gとなる。よってスプレッドは小さいほど有利。
年会費 | 購入手数料 | スプレッド | |
マネックス証券 | 0円 | 2.75% | 60円 |
楽天証券(オススメ!) | 0円 | 1.65% | 60円 |
SBI証券 | 0円 | 1.65% | 80円 |
KOYO証券 | 1500円 | 無し | 60円 |
田中貴金属 | 0円 | 1.5~5.0% | 62円 |
三菱マテリアル | 1080円 | 2.75% | 53円 |
岡藤商事 | 2160円 | 無し | 30円 |
(注)2021年8月時点
スプレッドはどの程度影響するのか
短期トレードを繰り返すFXなどであれば、スプレッドの影響は極めて大きく、0.1円でも安い会社を選択するべきです。しかし貴金属の積み立て投資においては、スプレッドの影響はそれほど大きくはありません。
金価格を5000円とし、スプレッドを30円、50円、100円とした場合の金の年間購入量は以下の通りです。
1年間に購入できる金の量 | |||
購入金額 | スプレッド30円 | スプレッド50円 | スプレッド100円 |
3000円/月 | 7.178 g/年 | 7.164 g/年 | 7.129 g/年 |
5000円/月 | 11.964 g/年 | 11.940 g/年 | 11.881 g/年 |
10000円/月 | 23.928 g/年 | 23.881 g/年 | 23.762 g/年 |
スプレッド30円と100円を比較すると、積立金額3000円/月の場合は1年間で購入できる量に約0.05gの差が発生します。
これは金額に換算すると約250円/年となります。(金価格を5000円/gとした場合)
この金額を大きい見るか小さいと見るかは人によりますが、少なくとも手数料よりは小さく、会社選びはスプレッドよりも手数料を重視するべきことが分かります。
おすすめの貴金属積立会社は
取り扱っている貴金属やその保管方法。コストやサイトの使い勝手などを総合的に考慮し、おすすめできる会社を紹介します。
ただし、サイトの使い勝手などは人によって評価が変わります。年会費無料の会社を複数口座開設し、実際に操作してみてから判断することも可能です。(口座を開設しても購入金額を指定しない限り手数料は発生しない)
1.最も手数料が安く、総合力が高い楽天証券
1か月の積み立て金額が10000円程度かそれ以下であれば、トータルコストが安くてサイトの使い勝手の評価も高く、サポート体制も充実している楽天証券をお勧めします。
積立金額が10000円を超える場合も、迷ったら楽天証券を選択しておけば間違いはありません。
さらに、もしあなたが楽天カードや楽天市場を利用している楽天ユーザーならば、より強く楽天証券をお勧めします。貴金属を積立ながら楽天ポイントを入手しましょう。
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2.SBI証券・マネックス証券
SBI証券とマネックス証券、そして楽天証券のネット証券3社の純金積立は、その使い易さやサポート体制においてどれも優れており、証券会社毎の差は大きくありません。
よって、本サイトでは手数料が安い楽天証券を最もお勧めします。
※21年、SBI証券が追随し、楽天証券と同等の手数料になりました。
もちろんSBI証券やマネックス証券ならではの特徴に魅力を感じるのであれば、そちらを選んでも何も問題はありません。
<SBI証券の特徴>
・ネット証券最大手の安心感
・積立てた貴金属の保管方法が特定保管
・楽天証券と同等の安い手数料
<マネックス証券の特徴>
・積立てた金を100g単位で郵送してくれるサービス有り
3.手数料無料のKOYO証券・岡藤商事
1か月間の積立金額が大きい場合は「年会費ありだが手数料無料」であるKOYO証券や岡藤商事が最も低コストとなります。
ただし、KOYO証券の取り扱いは金のみであり、岡藤商事も金とプラチナだけとなっています。
また、岡藤商事はネットでの注文に対応していないという特徴もあります。
それらが気にならないのであれば、KOYO証券や岡藤商事が最もお勧めとなります。
・KOYO証券(年会費1,500円、手数料無料、積立は金のみ対象)
・岡藤商事 タートルプラン(年会費2,160円、手数料無料、積立は金とプラチナが対象)
貴金属投資ならばコインもお勧め
安全資産である貴金属を保有するには「コイン」を購入するという手段もあります。
・高価な貴金属を比較的安価な値段(サイズ)でコツコツ買い集められる
・手元に置いておけるため、所有感がある
・さまざまなデザインがあり、コレクションとしても最適
・Amazonや楽天でも購入できる(注意!)
ただ単に「お金を業者に預け、画面上のデータで “価値” を確認する」という積立投資とは違い、
・貴金属の現物を手元に置いておける
・好みのコインをコレクションする
という、目に見える良さがある点がコインの大きな魅力です。
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