五十銭銀貨(日本)とは

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五十銭銀貨は明治時代から昭和初期にかけて発行された日本の銀貨です。

本記事では4種類の五十銭銀貨について、それぞれ紹介していきます。

五十銭銀貨とは

明治時代の50銭銀貨は明治4年の新貨条例制定に伴い発行された「旭日龍五十銭銀貨」と明治6年からデザインが変更された「龍五十銭銀貨)」、そして明治40年にデザインと重量が変更された「旭日五十銭銀貨」の3種類があります。

さらに、本記事では大正11年発行の「小型鳳凰五十銭銀貨」まで含めた4種類の50銭銀貨を紹介します。

旭日龍五十銭銀貨とは

名称:五十銭硬貨
発行年:明治3年、4年
品位:銀80%、銅20%
サイズ:31.51mm、重量:12.5g
表面裏面
旭日龍五十銭銀貨の表面のデザインは中心に龍図があり、その周囲に額面価値である『五十銭』などの文字が打刻されています。
龍は中国で古くから君主の象徴とされています。
裏面のデザインは中心に大きく旭日が描かれています。
それを囲うように菊と桐の枝飾りが、上部には格式高い桐文と2つの桐文が打刻されました。

旭日龍五十銭銀貨とは明治4年の新貨条例に伴い発行された、品位80%の日本の銀貨です。

本位貨幣である金貨の補助貨幣として4種類発行された銀貨の内の1つとなります。

(50銭、20銭10銭5銭

同時期に発行された円銀(一圓銀貨)が輸出用で国内流通を避けていたのに対し、50銭以下の貨幣は全て国内で日常的に使用させる目的で作られました。

銀貨としての品位は円銀(一圓銀貨)の90%に対してこちらは80%と下げられ、重量も額面以上に下げられています。

これは銀の値段が上昇しても国内流通用の貨幣まで海外に流出させないための措置です。

(コインに含まれる銀の価値がコインの額面以上になると、鋳潰して(溶かして)銀塊として売った方が利益が出てしまう)

龍五十銭銀貨とは

名称:五十銭硬貨
発行年:明治6年~40年
品位:銀80%、銅20%
サイズ:30.91mm、重量:13.48g
表面裏面
龍五十銭銀貨の表面のデザインは中心に龍図があり、その周囲に『大日本』や年号などの文字が刻印されています。
額面価値の刻印は『五十銭』の漢字から英文の『50SEN』に変更されました。
裏面のデザインは額面価値である『五十銭』の文字が中央に大きく描かれています。
その周りには菊と桐の枝飾りが、上部には古くから皇室の紋章として使われた菊紋が配置されました。

明治6年銘の50銭銀貨から円銀(一圓銀貨)に準じてデザインが変更されます。裏面の旭日が額面である『五十銭』の文字に変わり、これを龍五十銭銀貨と呼びます。

品位は変わらず銀80%ですが、重量はわずかに上げられ円銀(一圓銀貨)のちょうど半分となりました。

50銭銀貨を輸出する動きがあったためと思われますが、実際にはほとんど輸出されていません。

一円銀貨(日本)とは一圓銀貨は明治時代に発行された日本の銀貨です。数ある日本の古銭の中でも特に人気が高く、多くのコレクターから愛されている銀貨になります。 ...

旭日五十銭銀貨とは

名称:旭日五十銭銀貨
発行年:明治40年~大正6年
品位:銀80%、銅20%
サイズ:27.27mm、重量:10.13g
表面裏面
表面のデザインは額面価値である『五十銭』の文字が中央に大きく描かれています。
その周りには菊と桐の枝飾りが、上部には古くから皇室の紋章として使われた菊紋が配置されました。
裏面のデザインは中央に大きく旭日が描かれており、その周囲を桜の花が囲んでいます。
外側には『大日本』や年号、『50SEN』という額面価値が打刻されています。

明治30年の貨幣法制定に伴い本位貨幣である金貨は大きく変更されましたが、補助貨幣である銀貨の変更は少なく、50銭銀貨に関しては従来と同じものが製造され続けました。

しかし明治40年頃に銀相場の上昇を理由に(鋳潰されないために)50銭銀貨は再び変更されます。品位こそ維持されましたが、重量は約25%減となりました。

デザインに関しては表面の龍図が額面の『五十銭』の表記に変わり、元々額面が打刻されていた裏面には旭日が描かれました。

これを旭日五十銭銀貨と言います。

小型鳳凰五十銭銀貨とは

名称:小型鳳凰五十銭銀貨
発行年:大正11年
品位:銀72%、銅28%
サイズ:23.5mm、重量:4.95g
表面裏面
鳳凰五十銭銀貨の表面のデザインは、中心に額面価値である『五十銭』の文字があり、その上下に格式高い菊紋と桐文が描かれています。
そして左右にはコインの名称通り、2匹の鳳凰が描かれています。
裏面のデザインは中心に大きな旭日があります。その周囲には『大日本』と年号の文字、及び桜の花が描かれており、さらに外側に八稜鏡が打刻されました。

大正初期、第一次世界大戦に伴う急激な物価上昇に対応するため、あらゆる貨幣が変革を迫られていました。

50銭銀貨も大正11年に大幅に縮小され、品位も落とされた小型鳳凰五十銭銀貨が発行されます。

さらにこの時、10銭、20銭銀貨は白銅貨に変更され、銀貨ではなくなりました。(5銭銀貨はもっと早くに白銅貨に変更されていた)

小型鳳凰五十銭銀貨は、記念硬貨を除く流通貨幣としては日本最後の銀貨となりました。

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