「純金の仏具や仏像に相続税はかからない」と聞いたことはありませんか?
確かに、仏壇や仏像などは課税対象ではありません。
「それなら、仏具や仏像を純金で作ってしまえばいい」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、残念なことに純金の仏具や仏像は相続税対策にはなりません。
「先に知っておくべきだった」という事態にならないよう、最後まで読んでください。
純金の仏具・仏像は相続税対象外なのか
純金の仏具や仏像は、残念ながら相続税の対象で、相続税対策にはなりません。
仏具や仏像といっても、純金は純金です。
特に相続させる側(親御さんなど)が亡くなる直前に購入したものであったり、相続税節税を目的にすると推測できる大きな純金仏具・仏像であったりした場合は要注意です。
税務署から、「あからさまな節税」とみなされてしまいます。
では、どのような点で「あからさまな節税」と捉えられてしまうのでしょうか。
まとまった額でないと節税効果がない
相続税を節税するためには、仏具や仏像がかなりの額でなければ意味がありません。
節税効果の高い他の相続方法を例にとるとよくわかります。
子や孫に毎年110万円生前贈与ができる制度。
税金がかからないうえ、年数の上限はない。
たとえば3人に110万円(計330万円)×10年なら、3,300万円を無税で渡せる。
贈与の都度、贈与契約書を作っておくとトラブルを回避できる。
※本人が亡くなる前の3年以内の額は、相続税対象となるので、早めに取り掛かるべき。
子や孫にかかる教育費を一括で贈与する場合、1,500万円まで非課税。
※ただし、教育資金以外には使えない。
※信託銀行などの金融機関の「教育資金贈与信託」を利用すること。
いずれも、節税効果の高い制度を活用し、子や孫に確実にお金を遺す方法です。
純金の仏像の価値は意外に低い
貴金属を取り扱う大手仲介業者のサイトをみると、純金の仏像は200万円~300万円ほどです。
単純に「金」としてみたとき、80万円~130万円に収まります。
なぜ純金の仏像は高価なのでしょう。
100万円以上の差額は、「加工費」なのです。
この金額の場合、節税効果より加工費の方が上回ってしまいます。
純金の仏具や仏像が相続税対策になるといわれる理由
ではなぜ、純金の仏具や仏像が相続税抑制につながるといわれるのでしょうか。
それは、相続税法の次の一文から広まったものです。
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・「墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの」は相続税の課税価格に算入しない。
・「これらに準ずるもの」とは、庭内神し、神たな、神体、神具、仏壇、位はい、仏像、仏具、古墳等で日常礼拝の用に供しているものをいうのであるが、商品、骨とう品又は投資の対象として所有するものはこれに含まれないものとする。
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引用:相続税法第12条(非課税財産)第1項第2号
https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=325AC0000000073_20180401_430AC0000000007&openerCode=1#135
引用:相続税法基本通達12-2(祭具等の範囲)
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/sozoku2/02/02.htm#a-12_2
日常的に使っている仏具・仏像は、非課税財産だ、としています。
ただし、「投資の対象として所有するものはこれに含まない」ともしています。
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