自動車の浄化装置に使用される銀
銀は、耐食性や耐酸化性に優れているだけでなく加工しやすく電気伝導性が高いため、古くから様々な工業製品に使われてきました。その1つが自動車です。
エンジンやトランクのドアなど車の内外問わずに様々なところで使用されており、最近注目されているのが排気ガスの浄化触媒。
車の排気ガスには窒素化合物、一酸化炭素、炭化水素などの有害物質が含まれています。
そのような有害な物質を窒素や二酸化炭素など無害な物質に変換するために、プラチナやパラジウム、ロジウムなどがエンジンの排気管の中に設置されるようになりました。
現在は高価なプラチナの代わりに銀を使用する研究が進められており、実用化されればコストダウンとなって自動車の価格が安くなります。
～個人におすすめの手法は～銀は常に金（ゴールド）との比較され、金に次ぐ２番目の貴金属というイメージがあります。しかし銀も金と同様に富を象徴する物として、古くから世...
ソーラーパネルの中心素材としての銀
太陽光発電システムとして用いられているソーラーパネル。この中には銀が多く使用されています。パネルの表層や配線ケーブルで主に使用されており、表層ほどではありませんがパネルの奥深くにも用いられています。
太陽光発電は太陽の光や熱を電気エネルギーに変換するため、熱を効率よく取り込み、ロスなく電気に変換することができる物質が必要となりました。それらの条件を全て満たしているのが銀です。
特に電気抵抗率が金属の中では最も小さい数値を記録しており、効率よく電気を生み出してくれます。そうした事情によりソーラーパネル内にはたくさんの銀が使用されており、ソーラーパネル自体の価格の内、15パーセントから25パーセントは銀の価格といわれています。
銀の価格が上昇するとそれあわせてソーラーパネルの価格も上がってしまうと言ってもよいかもしれません。近
年では、コストを下げる目的として銀の代わりに銅を使用したソーラーパネルの研究、開発がおこなわれています。なお銅が採用されるようになったのは、銀に次いで電気抵抗が低いからです。
レントゲン写真にも銀が含まれている
病院などで使用されるレントゲン写真にも、微量ながら銀が含まれています。
レントゲンに使用されているフィルムは、支持体フィルムの表面にハロゲン化銀とヨウ化銀を合わせた混合物と写真乳剤を塗りつけて乾燥させたものです。
写真撮影でそのフィルムに光を当てると、フィルムの表面についているハロゲン化銀が光化学変化を引き起こし、ハロゲン化銀結晶がつくられるようにあります。
これに対して写真乳剤は光を当てても変化しないため、銀によって変化したところと乳化剤で変化しなかったところで陰影が生まれて映像がつくられるのです。
使用しなくなったレントゲン写真は廃棄されるのですが、その中から銀には銀が含まれているので、それを抽出してリサイクルしている業者がいます。
ただしレントゲン自体は個人情報に分類されていることから管理は厳重におこなう必要があり、JAPHICマークを取得している業者しか引き取ることができません。
なお業者が回収しているレントゲンのフィルムは医療用だけでなく工業用のも含まれています。
浄水器の殺菌に使用される銀
水の中の不純物を取り除く装置である浄水器の中にも銀は使用されています。
一般的には装置の中に含まれている活性炭が水の中の不純物を取り除くように思えますが、これは厳密にいうと正しくありません。
確かに活性炭には不純物を取り込む作用があるのですが、長時間使用すると不純物を取り込む機能が弱くなり逆に雑菌の繁殖を繁殖させる温床になってしまうからです。
そんなときに使用するのが銀。あらかじめ活性炭の表面を銀でコーディングすることによって、活性炭から菌が繁殖されるのを防ぎます。また銀は水に触れると銀イオンとなり、それ自体がもっている殺菌作用によって水をキレイにしてくれる効果もあります。
浄水器に含まれている銀が流出すると製品の寿命がすぐにくると思うかもしれませんが、メーカー側で流出する量がごくわずかになるように調整されているので、心配する必要はありません。
ディスクの光を反射するために銀を使う
DVDやHDDなどの記憶媒体にも銀が使われています。使用しているところは、装置から発射された光を受け止める反射層です。
ディスクは装置がだす光を反射することによって読み書きできるようになっており、安定して光を反射するために銀が使用されています。
銀以外にもアルミニウムを使用したタイプのディスクも登場していますが、銀のほうが指紋や傷に強く、反射層自体に塗装ができるというメリットを持っています。
ディスクの寿命は10年から20年であり、紙媒体と比べると短いことから、それを補う目的で金や銀でディスク自体をコーティングする金銀反射膜という方法が生み出されたのですが、この技術がつくられた当時はコストの問題もあり一般化されることはありませんでした。
ですが、近年はDVD-RやBD-Rが多く市場に流通したことと、技術革新によって金銀反射膜のコストが下がってきたことで、金や銀でコーティングされてディスクが増えつつあります。
～個人におすすめの手法は～銀は常に金（ゴールド）との比較され、金に次ぐ２番目の貴金属というイメージがあります。しかし銀も金と同様に富を象徴する物として、古くから世...
