十圓金貨とは、明治時代に発行された日本の金貨です。
明治4年の新貨条例制定に伴い発行された「旧十圓金貨」と明治30年の貨幣法制定に伴い発行された「新十圓金貨」の2種類にに大別されます。
旧十圓金貨とは
名称:十圓硬貨 発行年:明治4年、9年、10年、13年 品位:金90%、銅10% サイズ:29.42mm、重量:16.66g | |||
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表面 | 裏面 | ||
旧十圓金貨の表面のデザインは中心に龍図があり、その周囲に額面価値である『十圓』などの文字が刻印されています。 龍は中国で古くから君主の象徴とされています。 | 裏面のデザインは中心に日章と鏡が、その周りに菊と桐の枝飾りが描かれています。 その上には古くから皇室の紋章である菊紋が、下には菊に準じて格式の高い桐文がおかれ、左右には天皇の象徴である「錦の御旗」が美しく刻印されています。 |
旧十圓金貨とは明治4年の新貨条例に伴い発行された、品位90%の日本の金貨です。その後明治9年、10年、13年にも少量ずつ発行されました。明治4年銘以外の物は非常に希少価値が高くなっております。
明治30年に貨幣法が制定され、新十圓金貨が発行されて以降は額面の2倍である20円として使用されました。
その後昭和63年の貨幣法廃止に伴い法定通貨としての効力を失いました。
旧十圓金貨のデザイン
明治4年の新貨条例に伴い発行された金貨は旧二十圓金貨を含めて5種類あります。
この5種類の金貨、裏面のデザインは全て共通となっていますが、表面のデザインは旧一圓金貨のみ異なるデザインが採用されました。
これは一圓金貨の直径が12.12mmとあまりに小さく、複雑な龍図の打刻が難しかったためです。
上の写真は旧十圓金貨と旧二十圓金貨のレプリカコインです。
本物は非常に高額ですが、レプリカコインでしたら3千円程度で購入できます↓↓
新十圓金貨とは
名称:十圓硬貨 発行年:明治30年~37年、40年~43年 品位:金90%、銅10% サイズ:21.21mm、重量:8.33g | |||
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表面 | 裏面 | ||
新十圓金貨の表面のデザインは、中心に額面価値である十圓の文字があり、その周囲に菊と桐の枝飾りと、皇室の紋章である菊紋が刻印されています。 | 裏面のデザインは中心に日章と、それを取り囲むように八稜鏡があしらわれています。 その周囲には額面価値である「十圓」などの文字が刻印さえており、そこに3つ見える区切りは小さな桐文となっています。 |
新十圓金貨とは明治30年の貨幣法制定に伴い発行された、品位90%の日本の金貨です。
明治30年~37年、40年~43年、昭和5~7年銘が存在しますが、昭和の物は非常に希少価値が高くなっています。
その後昭和63年の貨幣法廃止に伴い、旧十圓金貨とともに法定通貨としての効力を失いました。
旧金貨は五圓硬貨は継続的に、それ以外は一年目のみ多く発行されましたが、新金貨はこの十圓金貨が継続的に発行される役目を負いました。
しかし明治37年頃から、その役目は新二十圓金貨に引き継がれることになります。これは当時の銀の値段や日本の物価を加味し、最も使いやすい金貨を多く発行してきたためです。
新十圓金貨のサイズとデザイン
明治30年の貨幣法に伴い発行された金貨は新十圓金貨を含めて3種類あります。
この3種類の金貨は全て共通のデザインが採用されました。
旧金貨と比較すると龍図も錦の御旗も省かれたシンプルなデザインで、旧金貨が持つ重厚は消えましたが両面共に額面が表示された分かりやすい貨幣となっています。
また新十圓金貨の重量は旧十圓金貨のちょうど半分となりました。
これは明治30年の銀の値段が明治4年当時に比べて約半分になっていた(日本の物価が約2倍になっていた)ための判断であり、これ以降旧十圓金貨は額面2倍の20円として通用することとなります。
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