購入し、手元に置いてきた金貨や銀貨を手放さざるを得ないとき、より高く有利に売りたいと思うのは“人情”というものです。
長く保有した金貨には、「金貨の価値+愛着」があるものです。さすがに愛着の度合いを売却価格に反映させることはできませんが、高く売るコツはあります。
今回は、金貨や銀貨の売却の方法、買い取り価格の決まり方、売却後の注意点などについて解説いたしますので、「どうすれば金貨/銀貨を有利に手放すことができるのか」をご理解いただけることでしょう。
金貨や銀貨を売るとき、どこを選ぶ?
貴金属の価格が上昇傾向にある今、まちのあちらこちらに「貴金属買います」といった店舗が増えました。
また、個人宅へゲリラ的に訪問し、「不要なアクセサリーはありませんか」といった“押し買い”に注意をするよう、各地の警察などが呼びかけてもいます。
確かにこのような業者へも金貨や銀貨を売ることはできます。しかしながら、このような業者は金や銀の純度と重さにのみ注目し、はかりにかけて金額を提示してきます。
店舗にいるスタッフ一人ひとりが金貨や銀貨、またはアクセサリーについている宝石などについての知識が全くないため、このように雑に扱われてしまうのです。
ネットの「金貨/銀貨買い取り専門店」を利用する
このように、雑な取り扱いに遭遇しないためには、金貨や銀貨の買い取り専門店を利用してください。
地金型の金貨や銀貨は、投資目的に活用されるものです。製造されたときの金の価格に製造費を上乗せした価格で販売されています。
デザイン性や希少性が“ウリ”の収集型金貨や銀貨とは異なり、金貨や銀貨としてのそもそもの価値が乱高下することはありません。
しかしながら、地金型金貨や地金型銀貨の中にも製造年によりデザインが少しずつ変わるものもあります。そのような金貨/銀貨には多少ながらプレミアムがつきます。このような「価値」を正しく判断できるのが、ネットで金貨/銀貨を買い取りしている専門店なのです。
専門店には、正しい査定が行えるスタッフが店舗にいる、ないしは支店と本店をネットでつなぎ査定スタッフがしっかり査定をする、という仕組みを備えています。
また、店舗に出向けない場合も、LINEで画像を送り、状態などの詳細を伝えると、5分程度で査定額が提示される仕組みを備えたサイトもあります。
金貨や銀貨の買い取り価格はどう決まる?
金貨や銀貨を売却するときに提示される「買い取り価格」は、いくつかの条件により変化が生じます。
・保存状態の良し悪し
・いつどこで、いくらで購入したかがわかる書類の有無
・金や銀の純度
・「売ろう」というアクションを起こしたタイミングの金相場
これらの条件を総合的に勘案し、買い取り業者が買い取り価格を決定します。
高く売るためのコツは?
上で触れたとおり、金貨/銀貨の買い取り価格は4つの側面から決まりますが、あなた自身で買い取り価格を高く保つためには、特に次の2点に注意するとよいでしょう。
・専用ケースに保存し、キズや欠けがない状態を保つ
・貴金属専門店や百貨店など、信用の置けるところから買ったという証明書類/領収書の保管
金貨は柔らかく、キズ付きやすいという“弱点”があります。銀貨は、空気に触れ続けると黒っぽくなってしまうという“欠点”があります。これを防ぐため、購入したときについてくる専用ケースに入れ、できるだけ触れずに、美しい状態をキープしなければなりません。
また、購入金額が定かではない場合、売却金額のうち「たった5%」を購入金額とされてしまい、とても不利な状態となります。税金に関することですので、特に重要です。
オークションなどで安価に取り引きされている金貨/銀貨もありますが、本物かどうか(純度はどうか)、保存状態はどうか、といった「高く売るためのポイント」を欠いている商品が多く見受けられます。投資には向かないことを理解し、中古品の購入を避けることも大切なポイントです。
金貨・銀貨の保存方法については以下の記事も参考にして下さい。
売却時に留意したいこと
もし、提示された買い取り金額に納得し、「いざ売却」となったとき、注意して頂きたいことがあります。それは、売却後に支払わなければならないかもしれない税金のことです。
これまで資産形成というよりコレクションのためにそろえてきた金貨/銀貨でも、まとめて売却するとかなりの額になることが考えられます。お金が必要になったなど、ひっ迫した状態で売却が完了できるとそこで一息ついてしまいそうですが、事前に税金のことを知っておかなければ、後日税務署から「お呼び」がかかってしまうかもしれません。
税金の計算方法については、以下の記事を参考にしてください。
特別な税制度と特別控除について経済状況が不安定な時期には金(ゴールド)などの貴金属が注目を集めますが、これらの貴金属は資産(動産)として扱われます。つまり売却など利益...
黙っていれば「ばれない」?
もしも、思ったよりも高額のお金が手に入ったとき、確定申告しなければ「ばれない」のでしょうか。答えは「No」です。
というのも、売却1度につき200万円を超える金額が動いたとき、買い取った業者は売主を特定できる書類(免許証やパスポートなど)とマイナンバーを記載した「支払調書」を税務署に提出しなければならないのです。
これは、大手貴金属売買専門業者だけでなく、貴金属買い取り業者でも同じことですので、もしも売却金額(売却益ではない)が200万円を超えそうなときは、現金の必要度にあわせ、時期をずらして売却するのもひとつの方法です。
しかし、この仕組みを理解したうえで「200万円以下の売却」を繰り返したとき、仮に買い取り業者に税務署の調査が入ったとしたなら、あなたの特定は容易です。「200万円以下×数度の売却」を安易に採用するのはいずればれてしまう、と考えたほうがよいでしょう。
まとめ
金貨や銀貨を投資目的で購入していらっしゃる方がいるのと同様、コレクションとして手元に置いていらっしゃる方も多いでしょう。
しかし、ときに「お金が必要になった」「いわゆる終活中で、お金という形で子や孫に残したい」というケースもあるはずです。そのようなとき、有利に売却するためには、硬貨を専門に取り扱う買い取り業者を利用しましょう。
高く売るためには、あなたご自身の「保管方法」も売却価格に大きく影響を及ぼします。せっかく手に入れた財産ですので、コンディションを良好に保ち、購入したときの領収書と共に保管しておくことを強くおすすめします。